お庭クリーン 口コミ
相続税の基礎

相続税の路線価の計算方法 固定資産税の明細で判断すると危ない理由【2026】

著者:相続税ナビ 編集部
相続税路線価土地評価固定資産税評価額倍率方式

親から相続する実家の土地は、固定資産税の課税明細書で見ると2,000万円くらい。これなら相続税はかからないだろうと思っていたのに、国税庁の路線価で計算し直したら4,000万円になった。計算が間違っているのか、それとも本当にこんなに高いのか。そんな戸惑いを抱えていませんか。

先に結論をお伝えします。相続税の土地の評価額は、固定資産税の明細の金額より高くなるのが普通です。固定資産税の明細だけで「相続税はかからない」と判断すると、申告が必要なのに気づかない危険があります。

この記事では、路線価図の見方、固定資産税の評価額と差が出る理由、実際の計算方法、マンションや路線価のない地域の評価方法を、国税庁の情報をもとに解説します。

結論|土地の相続税評価は「路線価×補正率×面積」

相続税では、土地は宅地・田・畑などの地目ごとに評価します。評価方法は次の2つです。

評価方法 対象の地域 計算式
路線価方式 路線価が定められている地域 路線価×奥行価格補正率などの補正率×面積
倍率方式 路線価が定められていない地域 固定資産税評価額×倍率

(出典:国税庁「No.4602 土地家屋の評価」)

路線価のポイントは、次の4つです。

  • 意味:道路に面する標準的な宅地の1㎡あたりの価額
  • 時点:毎年1月1日時点の価格
  • 公開:毎年7月1日に国税庁が公開
  • 水準:地価公示価格などをもとにした価格の80%程度が目安

(出典:国税庁「令和8年分の路線価等について」)

建物と土地では、固定資産税の明細の金額を使えるかどうかが違います。

財産 相続税の評価額 固定資産税の明細の金額
建物 固定資産税評価額と同じ そのまま使える
土地 路線価方式または倍率方式で計算 そのままは使えない

(出典:国税庁「No.4602 土地家屋の評価」)

山田くん山田くん

路線価って、その土地が実際に売れる値段のことじゃないんですか?

司法書士の先生司法書士の先生

違います。路線価は、相続税や贈与税を計算するために国税庁が決めた価格です。地価公示価格の8割程度を目安にしているため、実際に売れる値段よりは低くなるのが一般的です。売却価格の目安としてではなく、税金の計算の基準として使ってください。

路線価図の見方 「380D」は1㎡38万円

路線価は、国税庁の「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」で誰でも無料で確認できます。調べ方は次のとおりです。

  • 1. 年分を選ぶ:亡くなった年の路線価を選ぶ
  • 2. 都道府県→「路線価図」→市区町村を選ぶ
  • 3. 町丁名の索引から該当箇所を選ぶ:地図が表示される
  • 4. 土地が面している道路の数字を読む

(出典:国税庁 財産評価基準書「路線価図の閲覧の仕方」)

路線価図の道路には「380D」のような数字とアルファベットが書かれています。数字は1㎡あたりの価額を千円単位で表したもので、アルファベットは借地権割合です。たとえば「215D」なら、1㎡あたり215,000円、借地権割合60%という意味です。
(出典:国税庁 財産評価基準書「路線価図の説明」)

記号 A B C D E F G
借地権割合 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30%

(出典:国税庁 財産評価基準書「路線価図の説明」)

自分の土地を自分で使っている場合(自用地)は、アルファベットは計算に使いません。借地権割合を使うのは、土地を人に貸している場合や、借りた土地に家を建てている場合です。

実際の口コミ実際の口コミ

「固定資産税課税明細書の「価格」の項目が、評価額という事で良いですか? また、相続税に関する評価額が、この金額から大幅に増える事はあるのでしょうか?」

質問者の返信:「今年度の路線価が380Dでした。計算すると約4000万円なのですが、ここまで大幅に増えるものですか?」

ベストアンサー:「価格欄が、「固定資産税の評価額」であっています。相続税に関する評価の方が一般的には高くなります。(相続税路線価と固定資産税路線価の比が概ね8対7なので)」
(出典:Yahoo!知恵袋、2025年9月24日投稿/質問ページ)

この質問者の土地は約105㎡で、別の回答では「380,000×105.75=40,185,000」と計算されていました。固定資産税の明細を見て安心していた人ほど、路線価で計算したときの金額に驚きます。次の章で、なぜこれほど差が出るのかを説明します。

山田くん山田くん

道路の数字が2つある角地の場合は、どっちを使えばいいんですか?

司法書士の先生司法書士の先生

原則として、補正後の価額が高いほうの道路を「正面路線」とし、もう一方の道路は「側方路線」として一定の割合を加算します。角地は2つの道路に面していて使い勝手が良いため、1つの道路にしか面していない土地より評価が高くなります。

固定資産税の明細より高くなるのは普通。7割と8割の差

相続税の評価額と固定資産税の明細の金額に差が出る理由は、次の2つです。

理由 内容
①価格の水準が違う 相続税の路線価は地価公示価格などの80%程度、固定資産税の宅地の評価は7割が目安
②課税標準額がさらに下がっている 住宅が建っている土地のうち200㎡以下の部分(小規模住宅用地)は、評価額に特例率6分の1を掛けた額まで課税標準額が下げられている

(出典:国税庁「令和8年分の路線価等について」、総務省「固定資産税の概要」)

地価公示価格が1㎡25万円の住宅地150㎡(路線価200D)で、それぞれの金額の目安を比べると次のようになります。

金額の種類 水準の目安 150㎡の金額(目安)
地価公示価格相当 100% 3,750万円
相続税の評価額(路線価) 80%程度 3,000万円
固定資産税評価額(明細の「価格」) 70%程度 約2,625万円
固定資産税の課税標準額 評価額の6分の1 約437万円

(出典:国税庁「令和8年分の路線価等について」、総務省「固定資産税の概要」)

課税標準額を見て「土地は数百万円」と思い込むと、相続税の評価額を7分の1近くに見誤ることになります。明細を見るなら「価格」の欄を使い、それでも路線価での評価より低い金額であることを前提にしてください。

なお、上の表はあくまで目安です。実際の固定資産税評価額は評価替えのタイミングや市町村の補正によって変わるため、相続税の評価は必ず路線価で計算してください。

山田くん山田くん

じゃあ、固定資産税の「価格」を8÷7倍すれば、相続税の評価額になるんですか?

司法書士の先生司法書士の先生

目安にはなりますが、その計算で申告してはいけません。固定資産税の評価は3年に1度の評価替えで、時点が古いことがあります。さらに、補正の方法も相続税とは違います。おおまかに相続税がかかるかを見る程度にとどめ、申告では路線価で計算してください。

実際に計算してみる 同じ150㎡でも奥行で変わる

路線価方式では、土地の奥行の長さに応じて「奥行価格補正率」を掛けます。奥行が短すぎたり長すぎたりする土地は使いにくいため、評価が下がる仕組みです。普通住宅地区の補正率は、次のとおりです。

奥行距離 普通住宅地区の補正率
4m未満 0.90
4m以上6m未満 0.92
6m以上8m未満 0.95
8m以上10m未満 0.97
10m以上24m未満 1.00

(出典:国税庁「財産評価基本通達 付表1 奥行価格補正率表」)

路線価200D、面積150㎡の自宅の土地で計算してみます。

  • 間口10m×奥行15mの場合:200,000円×1.00×150㎡=3,000万円
  • 間口20m×奥行7.5mの場合:200,000円×0.95×150㎡=2,850万円

同じ面積、同じ路線価でも、奥行が短い土地は150万円低く評価されます。国税庁の計算例でも、まず路線価に奥行価格補正率を掛けて1㎡あたりの価額を出し、それに面積を掛ける順番で計算しています。
(出典:国税庁 財産評価基準書「路線価図の説明」)

角地や、2つ以上の道路に面している土地は、側方の道路の路線価に一定の割合を掛けて加算します。国税庁の計算例では、普通商業・併用住宅地区で正面路線価300Cの土地に、側方路線200Cを「側方路線影響加算率0.08」で加算し、1㎡あたり291,000円が307,000円になっています。
(出典:国税庁 財産評価基準書「路線価図の説明」)

地区区分(普通住宅地区、普通商業・併用住宅地区など)は、路線価図の数字を囲む記号の形で表されています。補正率は地区区分ごとに違うため、必ず自分の土地の地区区分を確認してから表を使ってください。

山田くん山田くん

奥行が24mを超えるような細長い土地だと、どうなるんですか?

司法書士の先生司法書士の先生

奥行が長くなると、補正率は1.00より下がっていきます。普通住宅地区では奥行24m以上28m未満で0.97、さらに長くなるほど低くなります。細長い土地は、奥行価格補正に加えて「奥行長大補正」も使える場合があるため、計算が複雑になります。

マンションと、路線価がない地域の計算方法

マンションは「敷地全体×敷地権の割合」

マンションの土地部分(敷地利用権)は、マンションの敷地全体の価額に、登記事項証明書に載っている敷地権の割合を掛けて計算します。建物部分(区分所有権)は、固定資産税評価額で計算します。
(出典:国税庁「No.4602 土地家屋の評価」)

実際の口コミ実際の口コミ

「相続税 マンションの計算方法について 無料相談で路線価を計算するよう言われました。 路線価540Dで登記簿では 地籍と登記簿面積は2855.72 所有権敷地権 10万分の612(中略)路線価計算して943万程でした。 ざっくり家の分の相続税対象は1千万円と思っても良いですか?」

回答:「家屋分の相続税が考慮されていないので、正しくありません 固定資産税評価額をそのまま加えればOKです」
(出典:Yahoo!知恵袋、2025年5月27日投稿/質問ページ)

この質問者の数字を、国税庁の方法で計算し直してみます。

項目 計算 金額
敷地全体の価額 540,000円×2,855.72㎡ 約15億4,209万円
土地部分(敷地利用権) 約15億4,209万円×100,000分の612 約943万円
建物部分(区分所有権) 固定資産税評価額×1.0 質問では未計算
マンションの評価額 土地部分+建物部分 約943万円+建物の固定資産税評価額

(出典:国税庁「No.4602 土地家屋の評価」)

土地部分の計算は、質問者の「943万程」と一致しています。足りないのは、回答のとおり建物部分です。

さらに、令和6年1月1日以後に相続した分譲マンションには、次の補正があります。

  • 対象:令和6年1月1日以後に相続した分譲マンション
  • 内容:土地部分と建物部分のそれぞれに「区分所有補正率」を掛けて評価する場合がある
  • 注意点:築年数や階数によって評価額が上がることがある

(出典:国税庁「No.4667 居住用の区分所有財産の評価」)

マンションを相続した場合は、この補正も確認してください。

路線価がない地域は「固定資産税評価額×倍率」

路線価図に「倍率地域」と書かれている地域や、郊外・農村部などで路線価が定められていない地域では、倍率方式で評価します。土地の固定資産税評価額に、国税庁が地域ごとに定めた倍率を掛けて計算します。
(出典:国税庁「No.4602 土地家屋の評価」)

たとえば固定資産税評価額が800万円で、評価倍率表の宅地の倍率が1.1なら、評価額は800万円×1.1=880万円です。倍率は「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」の評価倍率表で、町名ごとに確認できます。倍率方式では、固定資産税の明細の「価格」が計算の出発点になります。

山田くん山田くん

マンションだと土地の持ち分が小さいから、相続税はあまり心配しなくていいんですよね?

司法書士の先生司法書士の先生

一概にはそう言えません。土地部分は小さくても、建物部分を足すと評価額は大きくなります。また、令和6年からの区分所有補正率で、築浅のマンションや高層階は以前より評価が上がることがあります。必ず土地と建物の両方を足して判定してください。

「路線価×面積」で終わらせると評価が高すぎることもある

評価を見誤るパターンは、低すぎる場合と高すぎる場合の2つがあります。

計算の仕方 見誤り方 理由
固定資産税の明細だけで判断 低く見誤る 相続税の評価より水準が低い
「路線価×面積」だけで計算 高く見積もりすぎる 路線価は「標準的な宅地」の価格で、使いにくい土地の減額が反映されていない

国税庁も、路線価方式では奥行距離、不整形の度合い、角地などの形状に基づいて価額を補正するとしています。
(出典:国税庁「令和8年分の路線価等について」)

評価を下げられる可能性がある主な要素は、次のとおりです。

減額の要素 どんな土地か
不整形地 旗竿地や三角形の土地など、形がいびつ
間口が狭い土地 道路に接している部分が短い
がけ地・高低差がある土地 敷地の一部ががけになっている、道路との高低差がある
貸家建付地 アパートなどを建てて貸している土地。自用地の価額から「借地権割合×借家権割合×賃貸割合」を掛けた金額を差し引く

(出典:国税庁「No.4614 貸家建付地の評価」)

さらに、評価を出したあとに使える特例もあります。

  • 小規模宅地等の特例:亡くなった人が住んでいた自宅の土地は、要件を満たせば330㎡まで評価額を80%減らせる

路線価で評価を出したあとに使う制度なので、評価の計算とあわせて確認してください。特例の要件は「小規模宅地等の特例」で詳しく解説しています。

山田くん山田くん

減額できる要素があるかどうかは、自分で見て分かるものなんですか?

司法書士の先生司法書士の先生

形がいびつ、道路との間に高低差がある、といった見た目で分かるものもあります。ただし、どの補正をどの順番で使えるか、減額率がいくらになるかは専門的な判断です。土地の形が四角形でない場合は、税理士に評価を依頼する価値があります。

自分で計算してよいケース・税理士に頼むべきケース

相続税がかかるかどうかを判定するだけなら、「路線価×面積」のおおまかな計算でも十分に役立ちます。一方で、申告まで自分で行う場合や評価額が大きい場合は、補正の計算漏れが税額に直結します。

ケース 自分で計算 理由
四角形で道路に1面だけ接する自宅の土地 しやすい 奥行価格補正率だけで計算できることが多い
路線価がない地域(倍率地域)の土地 しやすい 固定資産税評価額×倍率で計算できる
角地・二方路の土地 注意 側方・裏面路線の加算が必要
旗竿地・三角形など形がいびつな土地 税理士に依頼 不整形地補正の計算が複雑
アパートや貸地がある 税理士に依頼 借地権・借家権の割合と賃貸割合の確認が必要
面積が広い土地(目安として三大都市圏で500㎡以上) 税理士に依頼 「地積規模の大きな宅地」の評価で大きく下がることがある

おおまかな計算の結果、遺産の合計が基礎控除に近い場合や超えそうな場合は、早めに税理士に相談してください。相続税がかかるかどうかの判定方法は「相続税はいくらから?」、自分で申告するかの判断基準は「相続税申告は自分でできる?」で解説しています。

山田くん山田くん

税理士に頼むと、土地の評価だけで高い費用がかかりそうで不安です。

司法書士の先生司法書士の先生

土地の評価は、税理士によって結果に差が出やすい分野です。補正を正しく使えば、評価額が数百万円下がることもあります。費用と、評価が下がることで減る税額を比べて判断してください。見積もりの段階で、土地の形や数を伝えて費用を確認するのが確実です。

よくある質問

どの年の路線価を使えばいいですか?

亡くなった年の路線価を使います。路線価は1月1日時点の価格として毎年7月1日に公開されます。
(出典:国税庁「令和8年分の路線価等について」)
1月から6月に亡くなった場合は、その年の路線価が公開されるまで待つ必要があります。申告期限は亡くなった日の翌日から10ヶ月以内なので、公開を待っても間に合います。

家の前の道路に路線価が書かれていません。どうすればいいですか?

路線価地域の中で、路線価が付いていない道路だけに面している土地は、税務署に「特定路線価」の設定を申し出ることができます。
(出典:国税庁 財産評価基準書「路線価図の説明」)
倍率地域の場合は、固定資産税評価額×倍率で計算します。

土地の固定資産税評価額はどこで確認できますか?

毎年送られてくる固定資産税の課税明細書の「価格」の欄で確認できます。手元にない場合は、都税事務所や市区町村役場で確認してください。
(出典:国税庁「No.4602 土地家屋の評価」)


本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的アドバイスではありません。具体的なご相談は専門家にお問い合わせください。

無料相談受付中

相続の不安を安心のオンラインサービスで完結

相続手続き・不動産登記・遺言書作成をサポートします。

✓ 初回相談無料✓ 土日祝対応✓ 相続手続き専門

目次